審議委員の仕事

 

今年の5月、BS朝日の放送番組審議会の審議委員(https://www.bs-asahi.co.jp/singi_meibo/)に就任しました。
日頃から企業とメディアの架け橋として仕事をさせていただいているわけですが、今回は放送局における番組内容の審議という新たな任務を受け、この仕事を通した気づきについてお話したいと思います。

 
 

放送番組審議会とは?

放送番組審議会は、適正な内容・健全な放送を運営していくために、外部の有識者で構成された審議委員による番組内容の意見交換をする場です。これは放送法で定められており、各放送局に設置が義務付けられています。

今回私が就任したBS朝日をはじめとする衛星デジタル放送局のほかに、地上波のテレビ朝日にも設置されています。テレビ朝日のようなキー局だけではなく、ローカル局やラジオ局にも設置されています。

審議委員のメンバーは意見が偏らないよう、バックグラウンドがバラエティに富んでいるのも特徴です。BS朝日では法曹界、スポーツ界、芸能界はもちろんのこと、シンクタンクの研究員の方や大学教授もいらっしゃいます。

 

審議会では何を審議しているのか?

BS朝日の場合、審議会は四半期に1回会合があるのですが、事前に指定された番組を視聴し、意見をまとめた上で会に臨みます。

この審議会での話し合いは議事録としてサイト上で公開しているので、ご興味のある方は御覧ください。肯定的な意見だけでなく、かなり厳しい指摘もあることがおわかりいただけると思います。

BS朝日第84回放送番組審議会議事概要
https://www.bs-asahi.co.jp/singi/singi_84/

 

BS朝日の番組

BS朝日はその企業理念に「挑戦」を掲げており、番組作りにもその理念を反映したチャレンジしているものが多い印象です。

旅番組や散歩番組でグルメを紹介する企画は多くありますが、BS朝日では「焼肉」に特化した『美女と焼肉』という、美女が各地にある焼肉の名店を巡り、焼肉コンシェルジュと呼ばれる肉の知識人から美味しい食べ方の指南を受け、肉愛を語る番組があります。

また、日本全国のサウナ施設を巡り、通の視点でサウナの魅力を伝える『サウナを愛でたい』など、趣味嗜好に特化した番組が多くあります。

このほかにも、DIYの番組や昭和の名車の魅力を発信する番組、世界中の客船を紹介する船旅番組といった、特定ジャンルのコミュニティをターゲットとした、地上波ではできないような番組作りが特徴になっています。

ニュース番組にもBS朝日ならではのこだわりがあり、『日曜スクープ』という報道番組では、1つのテーマを長尺で深堀りしているため、かなり見ごたえのある内容になっていました。

 

地上波にはない魅力

様々なBS番組を視聴して気づいたのは、PRの視点からみても魅力的な番組が多いことです。

これはBS朝日に限ったことではないのですが、各局趣向を凝らし、より視聴者にリーチできる番組作りを志向している傾向にあり、それはつまり、視聴者の番組に対するエンゲージメントがより高いという可能性があります。
視聴者属性がマッチングすれば、広告出稿先としてROIが高いといえるのではないでしょうか。

また、地上波放送の場合、地方では放送されない番組もありますが、衛星デジタル放送であるBS番組は全国で放送され、今や4,500万世帯以上が視聴可能となっているのも、全国に隈なくリーチしたい企業にとって魅力的です。

昨今は視聴者がYouTubeなどに流れる傾向ではありますが、長年モノづくりに携わってきたプロたちによるコンテンツ作りと、放送前のスクリーニングチェックや、放送後の審議会などで倫理性も検証されるなど、放送内容の質という意味では、まだまだテレビの力は高いです。

パーパスブランディングを推進する立場としては、BS朝日のパーパスである「挑戦」を積極的に行って魅力的な番組をつくり続けていくことで、その挑戦に対して視聴者からの支持が得られ、ファンが増えていくのが本来の姿ですし、そうあって欲しいと思っています。

 

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