MBAの視点からみたアマゾンの成功

 

前回に続き、MBA(経営学修士)のお話です。MBAを取得して気付いたこと、MBAは役に立つのか問題について考えてみたいと思います。MBA取得に励んでいらっしゃる方や、MBAホルダーの採用を検討されている経営者の方のお役に立てることができれば幸いです。

 
 

なぜアマゾンがこれほど評価されたのか?

経営学を学んでいくと、アマゾンが成功した理由があらためて理解できます。

振り返ってアマゾンというブランドが強くなっていく過程を、世の中のビジネスフレームワークに当てはめてみると、ほぼ成功して(そのフレームワークに大方沿って)いるのです。

とはいえ、アマゾンが当時、社内で「このフレームワークでいこう」などと意識してわけでではありません。アマゾンのリーダーシップ、経営理念・方針が結果として、ビジネスフレームワークにはまっていたというイメージです。
ビジネススクールでの学びであらためてアマゾンの成功が様々なフレームワークのロールモデルとなっており偶然の産物ではないことを再確認することができました。

 

MBAは仕事に役に立つのか?

アマゾンにはMBAホルダーが多くいました。当時、興味本位から「MBAを取って実務で役に立つことは?」とMBAホルダーによく聞いていたのですが、なかには「そんなにない」と答える人もいました。はたして本当にそうでしょうか?

私自身は、「投資するからには元以上のことを得たい」というハングリー精神が功を奏したと思っています。一見実務から遠い内容でも視点次第では学んだことを実務に活かす機会はたくさんあるのです。

MBAプログラムにある様々な科目のなかには、ブランド構築を含めたマーケティングやリーダーシップなど自身の専門分野から、ファイナンス、アカウンティング(会計学)といった、厳密に無関係ではないものの、主としていない分野などがあり、得意不得意にかかわらず、幅広くカバーされたプログラムに向き合うことになります。

ファイナンスでは、ある企業を選択し向こう5年の経営計画を作り、CFOになったつもりで発表します。これは大変苦労しました。それでも経営計画を作るために意識すべきポイントは多いに参考になりました。

また、実際にクライアントに接する際、AStoryでは上場企業であれば財務諸表は必ず拝見します。そこから得られる情報(分析や判断など)にMBAでの学びは非常に役に立っていると思います。

つまり、財務諸表や決算発表資料をみるとクライアントがどの分野に投資し、向こう何年でその投資を回収しようとしているかが理解でき、その企業の将来性も見えてきます。財務諸表にはその企業の成長戦略が映し出されます。

PRは事業活動が活発に行われていて、将来を見越して計画を立てていないとお役に立つことが難しいこともあるため、一見、遠いようなファイナンスの視点も大いに役立っています。
PRをきちんと行えば効果が見えてくる会社だなというようなことが判断できるだけでなく、事業づくりから提案をさせていただくことが可能になります。
そういう意味でも、MBAプログラムでファイナンスにじっくり向き合ったことは、企業経営の理解に大いに役立っていると思っています。

 

MBAを取得して良かったこと

会社の人事や財務に触れなくても仕事ができる部署はありますし、年齢的にも「MBAは必要ない」という意見があることも理解はできますが、知ることで得られるもの、考え方の幅の広がりは、仕事をする上で活用できる機会が非常に多くあります。

MBAを取得して何よりも良かったことは、同期に恵まれて、ネットワーキングにつながったことでしょうか。

ビジネススクールでは、入学すると開口一番に「仲間を作ってください」といわれました。確かに仲間がいたことで助けられ、チームワークでこの学びの修行を乗り切れた実感はあります(笑)。

様々なバックグラウンドの人が集まり、様々な得意分野(不得意分野も含め)があり、得意な人が不得意な人に知識をシェアし、レクチャーしてくれたからこそ、大きな山を乗り越えられたのです。
まさにインクルーシブリーダーシップがその場で実践されていたということですね(「インクルーシブリーダーシップとは」)。

 

MBAは経営者や事業部の方だけでなく、PRパーソンにもおすすめです。AStoryの事業の中心でもある「パーパス*1」を理解すること、つまり、経営がよく分かっていないとPR戦略は作れません。
MBAは経営者やコンサルタントのものだけでなく、ビジネスにおいてビジョンを持つ方々にも有効なのです。

 AStoryではこの学びをフル活用して、クライアントのブランディングに役立てたいと思っています。

*1「パーパス」:「パーパスブランディングとは?今、企業存続に必要な理由

 

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